ソフトボールでは、プロと部活動の練習を比較しても、練習内容は大差ありません。
私の中学校と全国ナンバーワンのチームを比べても練習内容に大差はありません。
でもどうして、どの中学校も同じ期間で同じような練習を行っているのに力の差が出てしまうのか?
小学校のときの経験の差?
運動神経の違い?
もちろん上記も関係しますが、最も関係しているのは、選手の練習に向かう姿勢です。
練習内容の目的を理解して取り組んでいるのか、何気なく形だけをこなしているかの違いです。
例えば、トスバッティングという練習があります。
トスバッティングの練習は何のために行う練習なのでしょうか?
それは、バットコントロールをつけるためです。
もちろん、その目的の違いには一人ひとり練習の捉え方は様々だと思いますが、要は、練習に目的をもって練習を行っているのかが大切です。
なかなか上達しない子は、何も考えず形を真似して練習をしています。
よくいる中学生は、ピッチャーに返そうとして練習をしています。
上達する人は、打つ方向を考えて練習をします。
打つ方向を考えるとは、ミートポイントを確認しながら打つということです。
引っ張ろうと思えば、打つポイントを前にし、流そうと思えば、打つポイントを後ろにします。
そのポイントを変えることでバットコントロールをよくしようとします。
また、バウンドが高いゴロを返すのか、低い軌道の速いゴロを返すのかと、ボールをとらえる位置にもこだわって練習します。
トスバッティングの目的を理解し、自分で工夫をして練習をするのです。
トスバッティング以外の練習でも同じです。
目的をもって練習している選手の方が上達は速いです。
だからこそ、指導者として大切なことは、練習内容の目的を選手に尋ねることです。
私はよく
「何を意識して練習しているの?」
「この練習の目的は何?」
「今のプレーはどうしてうまくいったの?」
「どうして失敗してしまったの?」
と選手に尋ねます。
選手は練習の目的やプレーの質を考えざるおえなくなります。
そして、必要があれば、アドバイスをします。
この指導は、ソフトボールに限らず、どの競技でもできると思います。
もしかしたら、仕事で部下を育てるのにも有効なのかもしれません。
自分で考えて成長できる選手を育てていきたいですね。